広島県は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、古くから椿の名所として知られています。この記事では、広島で椿を心ゆくまで楽しむための、とっておきの情報をお届けします。定番スポットから穴場まで、見頃、種類、イベント情報、アクセス方法などを網羅した完全ガイドです。この記事を参考に、あなただけの椿の旅プランを立ててみませんか?
広島で外せない椿の名所7選:詳細ガイドと見どころ
広島県内には、息をのむほど美しい椿の名所が点在しています。ここでは、特におすすめの7つのスポットを徹底解説。各名所の歴史、見どころ、アクセス方法などを詳しくご紹介します。
1. 観音寺(佐伯区):700種が咲き乱れる「椿寺」
圧倒的な品種数と、息をのむ美しさ
広島市佐伯区の観音寺は、別名「椿寺」と呼ばれるほど、椿の種類が豊富です。その数なんと約700種類!境内には、古木から珍しい品種まで、多種多様な椿が植えられており、訪れる人々を魅了します。11月中旬から4月下旬にかけて、次々と開花する椿の花は、まるで万華鏡のようです。
- 見どころ:
- 多種多様な椿: 一重咲き、八重咲き、唐子咲き、獅子咲きなど、様々な咲き方の椿を楽しめます。
- 古木: 長い年月を経てきた古木は、風格があり見応えがあります。
- 庭園: 椿が美しく配置された庭園は、散策に最適です。
- 開花時期: 11月中旬~4月下旬(最盛期は3月初旬~4月初旬)
- アクセス: JR五日市駅からバスで「湯来ロッジ前」下車、徒歩約15分
2. 観音寺(南区):樹齢400年の「広島椿」は必見
歴史と風格を感じる、一本の銘木
広島市南区の元宇品にある観音寺には、推定樹齢約400年の「広島椿」があります。この椿は、江戸時代初期に浅野家の奥方、振姫(徳川家康の三女)が紀州から持参し植えたと伝えられています。一本の木から、様々な色や形の花を咲かせるのが特徴で、その姿はまさに圧巻。毎年3月のお彼岸の頃には「広島椿祭り」が開催され、多くの人で賑わいます。
- 見どころ:
- 広島椿: 一本で様々な花を楽しめる、珍しい椿です。
- 歴史: 江戸時代から続く歴史を感じることができます。
- 広島椿祭り: 椿を愛でるお祭り。屋台なども出店し、賑わいます。
- 開花時期: 3月のお彼岸の頃
- アクセス: 広島港(宇品港)から「元宇品」行きバスで終点下車、徒歩約5分
3. 平家谷つばき園(福山市):400種が織りなす庭園美
静寂の中で椿を愛でる、隠れた名所
福山市沼隈町にある「平家谷つばき園」は、平清盛の甥、平通盛ゆかりの地に広がる椿園です。約400種類、500本の椿が植栽されており、その種類の豊富さは圧巻。侘助椿、四海波、金魚葉椿、黒椿など、珍しい品種も多く、椿愛好家にはたまらないスポットです。静かな山間に位置し、ゆったりと椿を鑑賞できます。
- 見どころ:
- 豊富な品種: 全国から集められた、約400種類の椿を楽しめます。
- 平家谷の伝説: 平家ゆかりの地を散策できます。
- 静寂な環境: 静かな環境で、ゆっくりと椿を鑑賞できます。
- 開園期間: 3月20日~4月20日(期間中無休)
- アクセス: JR福山駅から鞆鉄バス「沼隈支所前」下車、タクシーで約10分
4. 潮花園(江田島市):1200種!日本最大級の椿コレクション
圧倒的なスケール!椿のテーマパーク
江田島市にある「潮花園」は、約1200種類、5000本もの椿が植栽されている、日本最大級の椿園です。その規模は、まさに圧巻!園内は、様々なテーマで構成されており、椿の多様性を体感できます。11月から4月にかけて、次々と開花する椿の花は、まるで楽園のよう。
- 見どころ:
- 圧倒的な品種数: 約1200種類もの椿を楽しめます。
- 多様なテーマ: 様々なテーマで構成された園内は、見どころ満載です。
- 広大な敷地: 広大な敷地を散策しながら、椿を鑑賞できます。
- 開花時期: 11月~4月
- アクセス: 広島港(宇品港)から高速船で約30分、小用港からタクシーで約15分
5. 宮島カンツリー倶楽部:ゴルフと椿の優雅なハーモニー
ゴルフをしながら椿を愛でる、贅沢な時間
宮島カンツリー倶楽部は、ゴルフ場内に椿が植えられており、プレーをしながら椿を鑑賞できる、ユニークなスポットです。美しい瀬戸内海の景色と、色とりどりの椿の花が、プレーをさらに楽しいものにしてくれます。
- 見どころ:
- ゴルフと椿: ゴルフと椿を同時に楽しめます。
- 瀬戸内海の景色: 美しい瀬戸内海の景色を眺めながらプレーできます。
- 優雅な雰囲気: 優雅な雰囲気の中で、椿を鑑賞できます。
- アクセス: 宮島口桟橋からフェリーで約10分、宮島桟橋から送迎バスで約15分
6. 比治山公園(広島市):都会のオアシスで椿散策
市街地で気軽に椿を楽しむ
広島市の中心部にある比治山公園は、市民の憩いの場として親しまれています。園内には、様々な種類の椿が植えられており、散策しながら気軽に椿を鑑賞できます。美術館や図書館も併設されており、文化的な時間を過ごすこともできます。
- 見どころ:
- 様々な種類の椿: 散策しながら、様々な種類の椿を楽しめます。
- アクセス良好: 市街地にあり、アクセスが便利です。
- 文化施設: 美術館や図書館も併設されています。
- アクセス: 広島駅から路面電車で「比治山下」下車、徒歩約5分
7. 妙詠寺(広島市南区):椿の展示会も開催
隠れた名所、静寂の中で椿と向き合う
妙詠寺は、普段は静かなお寺ですが、椿の時期には美しい花を咲かせます。また、時期によっては椿の展示会が開催されることもあり、珍しい品種の椿に出会えるチャンスです。
- 見どころ:
- 椿の展示会: 珍しい品種の椿に出会える可能性があります(開催時期は要確認)。
- 静寂な雰囲気: 静かな雰囲気の中で、椿を鑑賞できます。
- アクセス: 広島駅から路面電車で「皆実町六丁目」下車、徒歩約5分
広島に咲く椿の種類:代表品種と特徴を解説
広島県内で見られる椿は、本当に多種多様。ここでは、主な椿の種類と、それぞれの特徴を詳しく解説します。
ヤブツバキ系:広島の自然が生んだ美
- オオタガワ: 広島県内に自生するヤブツバキの中から選抜された品種。淡いサーモンピンクの花色が特徴で、清楚で優しい印象を与えます。
- 広島椿: 一本の木から様々な色や形の花を咲かせる、非常に珍しい品種。観音寺(南区)の広島椿は、特に有名です。
侘助椿(ワビスケツバキ)系:控えめな美しさ
- 侘助椿: 小ぶりで一重咲きの花が特徴。茶人に好まれた、侘び寂びの世界観を表現する椿です。
その他の注目品種:個性豊かな椿たち
- 四海波(シカイハ): 波打つような花びらが特徴。その名の通り、波のような優雅さを感じさせます。
- 金魚葉椿(キンギョバツバキ): 金魚の尾びれのような形をした葉が特徴。花だけでなく、葉も楽しめる品種です。
- 黒椿(クロツバキ): 黒みがかった赤色の花が特徴。シックで大人っぽい雰囲気を持つ椿です。
- 肥後椿(ヒゴツバキ): 梅の花のような咲き方(梅芯咲き)をするのが特徴。熊本県(肥後国)で改良された品種群です。
- 玉之浦(タマノウラ): 長崎県五島列島玉之浦町で発見されたヤブツバキの枝変わり品種。濃い紅色に白い覆輪が入る、華やかな椿です。
広島の椿の見頃カレンダー:開花時期をチェック
椿の見頃は、品種によって異なります。ここでは、広島県内での主な椿の開花時期をカレンダー形式でご紹介します。
椿の種類 | 開花時期(目安) | 主な名所 |
---|---|---|
早咲き椿 | 11月~1月 | 潮花園、観音寺(佐伯区) |
中咲き椿 | 2月~3月 | 観音寺(佐伯区)、比治山公園 |
遅咲き椿 | 3月~4月 | 観音寺(佐伯区)、平家谷つばき園、潮花園 |
広島椿 | 3月のお彼岸の頃 | 観音寺(南区) |
平家谷つばき園 | 3月20日~4月20日 | 平家谷つばき園 |
注意: 開花状況は、その年の気候によって変動します。お出かけ前に、各名所の最新情報を確認することをおすすめします。
2025年 広島の椿イベント情報:祭り・展示会
広島県内では、椿の見頃に合わせて、様々なイベントが開催されます。2025年の主な椿関連イベントをご紹介します。
- 広島椿祭り(観音寺(広島市南区)):
- 開催時期: 毎年3月のお彼岸の頃
- 内容: 広島椿の鑑賞、屋台の出店など。地域の人々で賑わう、春の風物詩です。
- 平家谷つばき園 開園:
- 開催期間: 2025年3月20日~4月20日(期間中無休)
- 内容: 約400種類の椿の鑑賞。静かな山間での、癒しのひとときを過ごせます。
- 洋画グループ椿展:
- 開催期間:2025年4月1日(火)~4月6日(日)
- 場所: 広島県民文化センター
- 内容: 洋画グループによる椿をテーマにした絵画展
- 萩・椿まつり2025:
- 開催期間: 2025年2月15日(土)~3月16日(日)
- 場所: 山口県萩市 笠山椿群生林、萩市市民体育館ほか
- 内容: 約25,000本のヤブツバキが咲き誇る笠山椿群生林でのイベント。
様々な催しが予定されています。
最新情報: 各イベントの詳細は、主催者のウェブサイトなどでご確認ください。
椿の育て方:庭や鉢植えで楽しむポイント
椿は、比較的育てやすい花木です。ここでは、椿を自宅で楽しむための、基本的な育て方をご紹介します。
- 置き場所:
- 日当たり: 日当たりの良い場所を好みますが、西日や夏の強い直射日光は避けてください。半日陰でも育てられます。
- 風通し: 風通しの良い場所を選びましょう。
- 水やり:
- 鉢植え: 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
- 庭植え: 根付いてしまえば、基本的に水やりは不要です。ただし、夏場に乾燥が続く場合は、水やりをしてください。
- 肥料:
- 寒肥(かんごえ): 2月~3月に、有機肥料(油かすなど)を施します。
- 追肥(ついひ): 9月~10月に、緩効性の化成肥料を施します。
- 剪定:
- 時期: 花が終わった後、新芽が伸び始める前の、4月~5月頃が適期です。
- 方法: 混み合った枝や、枯れた枝を切り落とします。樹形を整えるように剪定しましょう。
- 病害虫:
- チャドクガ: 葉を食害する害虫です。見つけ次第、捕殺するか、薬剤を散布します。
- 炭疽病(たんそびょう): 葉に黒い斑点ができる病気です。発生初期に、薬剤を散布します。
ポイント: 椿は、酸性の土壌を好みます。市販の椿専用の培養土を使用するか、鹿沼土や赤玉土などを混ぜて、土壌を酸性に調整しましょう。
広島の椿に関する歴史・文化:椿と人々の関わり
広島県と椿の関わりは深く、古くから人々の生活や文化に根付いてきました。
- 広島藩と椿: 江戸時代、広島藩では椿の栽培が奨励され、多くの品種が育成されました。「広島椿」は、その代表的な例です。
- 茶道と椿: 侘助椿は、茶花として古くから茶人に愛されてきました。
- 椿油: 椿の種子から採れる椿油は、食用や化粧品、灯火用など、様々な用途に使われてきました。
広島県内には、椿にまつわる伝説や言い伝えも多く残っています。椿の名所を訪れる際には、その土地の歴史や文化にも触れてみてください。
椿の名前の由来は?
椿の名前の由来には諸説あります。
- 厚葉木(あつばき)説: 椿の葉が厚く、光沢があることから、「厚葉木」と呼ばれ、それが転じて「つばき」になったという説。
- 艶葉木(つやばき)説: 椿の葉が艶やかであることから、「艶葉木」と呼ばれ、それが転じて「つばき」になったという説。
- 春を告げる木: 早春に花を咲かせることから、「春を告げる木」を意味する「ツバキ」になったという説もあります。
椿は縁起の良い花?悪い花?
椿は、その散り方から、武士の間では縁起が悪いとされた時代もありました。花が首から落ちる様子が、首が落ちることを連想させるためです。
しかし、一般的には、椿は縁起の良い花とされています。
- 吉祥の象徴: 椿は、古くから吉祥の木とされ、神聖視されてきました。
- 長寿の象徴: 椿は、樹齢が長く、長寿の象徴ともされています。
- 魔除け: 椿には、魔除けの力があると信じられてきました。
現代では、椿は美しい花として広く愛されており、縁起の良い花として、結婚式などのお祝い事にも用いられています。
椿に関するQ&A
Q1: 椿の花言葉は何ですか?
椿全体の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」「謙虚な美徳」などです。色別の花言葉は以下の通りです。
- 赤: 「控えめな美」「気取らない美しさ」「謙虚な美徳」
- 白: 「完全なる美」「申し分のない魅力」「至上の愛らしさ」
- ピンク: 「控えめな愛」「控えめな美」「慎み深い」
Q2: 椿とサザンカの違いは何ですか?見分け方を教えてください。
A2: 椿とサザンカは、どちらもツバキ科ツバキ属の植物ですが、いくつかの違いがあります。
特徴 | 椿 | サザンカ |
---|---|---|
花の散り方 | 花ごと落ちる | 花びらが一枚ずつ散る |
開花時期 | 12月~4月頃 | 10月~12月頃 |
葉 | 光沢があり、縁にギザギザがない、または少ない | 光沢が少なく、縁に細かいギザギザがある |
香り | ほとんどない | 種類によっては、かすかに香るものがある |
Q3: 椿の種から油を採る方法は?
A3: 椿油は、椿の種子を絞って作られます。伝統的な製法は以下の通りです。
- 種子の採取: 熟した椿の実から種子を取り出します。
- 乾燥: 種子を天日干しで乾燥させます。
- 粉砕: 乾燥した種子を粉砕します。
- 蒸す: 粉砕した種子を蒸します。
- 圧搾: 蒸した種子を圧搾機にかけて油を絞ります。
- ろ過: 絞った油をろ過して、不純物を取り除きます。
現在では、より効率的な方法で椿油が製造されています。
まとめ
広島県は、椿の名所が多く、その美しさは訪れる人々を魅了します。この記事では、広島で椿を楽しむためのおすすめスポット、種類、見頃、イベント情報などを詳しくご紹介しました。ぜひ、この記事を参考にして、広島の椿の魅力を満喫してください。そして、あなただけの特別な椿の思い出を作ってください。
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